光学顕微鏡の原理
 観察対象であるAB(オレンジの矢印)は対物レンズで拡大され,実像A’B’(青い矢印)となります.実像A’B’は接眼レンズで拡大され,虚像A”B”(緑の矢印)となります.実像は上下反対になりますので,顕微鏡の観察像は上下反転したものを見ることになります.さらに接眼レンズによる虚像は実像を拡大しただけのものなので,対物レンズで得られた実像に含まれる情報(解像度)を改良するものではありません.したがって,顕微鏡の像のよしあしをもっとも左右するものは対物レンズになります.
 以上のことをデジタルカメラで花を撮影し,プリンターで印刷して,観察するという例で説明しましょう.
 この例えでは,デジタルカメラが対物レンズに相当し,対物レンズの倍率はデジタルカメラの画素数に相当します,プリンターが接眼レンズに相当し,接眼レンズの倍率はプリンターで出力する画像の大きさに相当します.デジタルカメラで撮影した画像をプリンターで拡大して,花の写真をみます.しかし,元のデジタルカメラの画像の画素数が小さければ,いくらプリンターで拡大しても,花の写真はぼやけていまいます.画素数の大きなデジタルカメラでとれば,プリンターで印刷するときに拡大しても,それほどぼやけません.結局,画像の善し悪しはデジタルカメラの性能で決まり,プリンターはあまり関係しないことになります(実際のパソコンの話ではなく,顕微鏡の性能の例えであることに注意してください.決して,プリンターの性能はどうでもいいという意味ではありません).

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